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技術情報

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製品に関連した各種技術を紹介します。

流量制御バルブ

流量特性表とCV値

ニードルバルブの流量制御特性は下図のような流量特性表にて表わしております。 下図の例ですと、Ⓑはバルブを少し回転しただけで流量が大きく変化し、設定がしづらく、また安定性も悪い使い方になります。従って、できるだけⒶの状態に近いものを選び出す必要があります。 〈KOFLOC〉では、一品一品、使用条件に合わせたバルブを製作しており、ニードル番号をご指定いただくか、流体名、供給圧(一次圧)、出口圧(負荷圧・二次圧)と使用最大流量を明示していただくことにより、制御特性の最も良いものを製作するシステムをとっております。

次にニードルバルブ等で流量特性として用いられるCV値についてご説明致します。 CV値とは一種の流量係数のようなもので、そのバルブでどの程度の圧力をかければどの程度の流量が流れるのか目安になります。 一般的な式は表のようになります。 P1 一次側絶対圧力〔MPa(abs)〕 P2 二次側絶対圧力〔MPa(abs)〕 Q 流量〔m3/h〕 ρ 比重(気体の場合:Air=1とした時、液体の場合:水=1とした時)

ニードルバルブでは、バルブ開度により、CV値が下図のように変化します。実際のバルブ選定では、最大どの程度の流量を流せるかが問題になりますので下図のMAX CV値が重要視されます。

このMAX CV値を前記の式に当てはめる事により、Qを求めますと最大流量が、その使用圧力条件・温度条件下で導出されます。但し、この方法は、精密流量になればなるほど、当てはまりにくくなりますので一応の目安としてください。 例として、20℃のAirをMAX CV値0.075のバルブを用いて一次圧0.1MPa(G)、二次圧0MPa(G)で制御する場合の、バルブ全開時流量を求めてみます。ゲージ圧(G)を絶対圧にしますと、0.1MPa(abs)加算すれば良いので P1=0.2MPa(abs) P2=0.1MPa(abs)

の式になります。

従いまして上記条件では、全閉→全開で30L/minの流量を制限するという見当になります。

流量制御バルブの種類

【1】ニードルバルブ

ニードルバルブは、小さなオリフィスとなった流路を針状あるいは棒状のニードルで開度調整し、その流路抵抗変化により、流量を制御するもので、ある意味で抵抗体になります。したがって、そのバルブにかかる圧力が変化すれば流量は変化してしまいます。そこで図Aのように前段にプレッシャーレギュレータを設け、バルブにかかる圧力を一定にして一定流量を得るようにします。この方法は、安価であり、バルブ出口側(二次側)の圧力損失が変化しない場合は有効な方法で、よく用いられております。 ニードルバルブは簡易タイプと精密タイプに大別されます。簡易タイプはニードル部とツマミ部が一体構造になっており、流量調整時にはニードル部が回転して移動し流量制御を行います。一方、精密タイプは、ニードル部とツマミ部が一体構造になっておらず、ニードル部が非回転移動します。精密タイプの方が、流量の設定し易さ、安定性共に優れています。

【2】一次圧変動型気体用フローコントローラ

【1】のニードルバルブとプレッシャーレギュレータの機能を合わせたものがこの一次圧(供給圧)変動型のコントローラです。一次側の圧力が変化しても常に一定の流量を維持できる様になっています。(図B)

【3】二次圧変動型気体用フローコントローラ

【1】および【2】の方法は、その後段に接続する負荷の圧力損失が変化した場合、その圧力損失が大きいと、流量が変化してしまいます。そのような場合、二次圧(出口側圧力、負荷圧力)の変動型のフローコントローラを用い、図Cのようなフローシートにて流量制御します。一次側圧力はレギュレータでおさえられ、二次側の圧力変動を受けないフローコントローラにより、一次圧、二次圧とも圧力影響を受けない流量制御が可能になります。

【4】液体用フローコントローラ

気体用フローコントローラ同様、ニードルバルブとダイヤフラムの組み合わせにより、片側圧力変動に対し流量を一定に保ちます。

【5】比例ソレノイドバルブ

ニードルバルブのような手動制御ではなく、印加する電圧もしくは電流により開度を調整し、流量もしくは圧力を制御するバルブです。流量センサや圧力センサと回路を構成し、フィードバック制御を可能とします。

ニードルバルブの流量特性例

〈KOFLOC〉のニードルバルブには流量に応じて様々なニードル番号があります。


以下は〈KOFLOC〉の代表的なニードルバルブの特性を製品ごとにまとめたグラフです。 使用条件誤差や器差が入ります上、また差圧での特性整理のため、実際使用されると、多少の違いが生じる可能性がありますので、あくまで目安としてご使用ください。 気体の場合、Airを代表として整理致しておりますが、他の気体の場合、流量値にを乗算した値を目安としてください。

(例)He流量=Air流量×

液体の場合も水を代表していますが、他の液体の場合、流量値にを乗算してください。ただし高粘性の場合、粘性係数がありますので都度、お問合せください。

2412 流量制御特性例 (単位K=kPa)

2400/2450 流量制御特性例 (単位K=kPa)

2412D 流量制御特性例 (単位K=kPa)

精密ニードルバルブ(2412)の原理

ニードル軸を回転すると、その動きが調節ネジ受けに伝わります。調節ネジ受けは回転の力を受けますが、調節ネジ受けに付いているピンによって回転運動を遮ります。回転の力を受けたエネルギーはピンの溝に沿って調節ネジ受けは前後に動き出します。調節ネジ受けの端に取り付けられたニードルピンは、これによって前後の動作をします。一定の穴が開けられたオリフィスにニードルピンが前後してオリフィスの開口を調整し、IN側から流れ込んだ流量を絞ります。 2412は一般的なニードルバルブのなかでも非常に調整性が良く、15種ものレンジ選択が可能であり、フローコントローラ2203、2204だけでなく、弊社ニードルバルブ付フローメータにも採用され、シビアな流量調整にはかかせないアイテムです。

二次圧変動型気体用フローコントローラ(2203)の原理

一定に保たれた圧力で気体がIN側より供給された時に、一次側の部屋には一次側の圧力が満たされ、二次側の部屋にはニードルバルブを通り気体が入ります。 一次側の部屋と二次側の部屋は、ダイヤフラムにより仕切られた状態になります。一次側の部屋の一定圧力とバランスする二次側の部屋の圧力は、スプリングの力が加えられています。ノズル部は二次側の部屋の圧力がバランス状態を崩さないように気体の流出を調整し、ニードルバルブの前後の差圧は、いつも一定に保たれます。このことから、気体の流量はニードルバルブの開度にのみ関係するために二次側の圧力影響を受けません。

一次圧変動型気体用フローコントローラ(2204)の原理

IN側より供給された圧力変動の気体がノズル部を通り一次側の部屋に入ります。気体はニードルバルブを通りOUT側に放出され、一方は二次側の部屋に入ります。一次側の部屋と二次側の部屋は、ダイヤフラムにより仕切られた状態になります。二次側の部屋は一定圧力とスプリングの力が加えられ、それとバランス状態を保つように一次側の部屋に入る気体の圧力をノズル部によって調節します。二次側の部屋と一次側の部屋の圧力がバランス状態を維持し、ニードルバルブの前後の差圧は、いつも一定に保たれます。このことから、気体の流量はニードルバルブの開度にのみ関係するために一次側の圧力影響を受けません。

流量制御バルブ取扱上の注意点

  • ニードルバルブは一定流量を継続して保証できるものではありません。他バルブの開閉、温度変化、衝撃等が流量を変化させる要因となりますので、期間を決めて、流量を監視・再調整していただきますよう、よろしくお願いいたします。
  • ニードルバルブは「流体制御」する弁です。ゼロシャットを保証するものではありません。流体の流れを止める場合、別途ストップバルブの設置をお願いします。尚、必要以上にニードルバルブを回転させた場合、製品が破損する場合があります。ご注意ください。