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技術情報

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製品に関連した各種技術を紹介します。

クリーン・ドライエア発生装置

クリーン・ドライエア発生装置の原理(PSA方式)

クリーン・ドライエア(以下CDA)発生装置は、空気中の水分を除去し低露点のガスを供給する装置です。オンサイト式のため、ボンベ管理に比べて残量管理や交換作業が不要になり、管理者の負担が軽減されます。装置の電気代と定期的なメンテナンス費用が主な運用コストとなり、ガス単価が安価になります。配送に伴うCO₂の削減も見込めます。

当社のCDA発生装置では、PSA方式を採用しています。

PSAとは

Pressure Swing Adsorptionの略で加圧、減圧を繰り返し吸着剤により、不要なガスを選択吸着する圧力変動吸着方式のこと。

システムフロー(CDA発生装置)

2系統の吸着タンクを用いて、交互に加圧・減圧を繰り返すことにより、連続してCDAを供給することができます。

吸着剤の特性

CDA発生装置は、吸着剤(合成ゼオライト)により、空気中の水分を吸着除去し、低露点のCDAを製造します。合成ゼオライトはシリカゲル、活性アルミナに比べて水分圧(濃度)が極めて低い場合にも、大きな吸着能力が有り、ある一定量の水を吸着しますと、これ以上に水を吸着出来なくなります。そこで、減圧で吸着した水分を脱着し、再び水分を吸着出来るように再生します。(実際の再生は、加圧状態から大気圧までの減圧で行います)

合成ゼオライトの写真

合成ゼオライトによる窒素と酸素の分離

用語解説

  • CDA
    Clean Dry Air の略で弊社の場合、空気清浄度等級JIS0:2:0を満たし、大気圧下露点-70℃以下の空気のこと。
  • PSA

    Pressure Swing Adsorptionの略で加圧、減圧を繰り返し吸着剤により、不要なガスを選択吸着する圧力変動吸着方式のこと。

  • 吸着タンク
    吸着剤(合成ゼオライト)が充填してあり、加圧・減圧により空気の分離を行うタンクです。
  • 吸着工程
    再生の終わった吸着タンクに圧縮空気を送り、吸着を行う工程です。
  • 脱着(再生)工程
    均圧工程が終わった後に減圧脱着を行い、再び吸着を再生する工程です。
  • バッファタンク
    吸着タンクより取り出された製品ガスを貯えるタンク、このタンクにより製品ガスの圧力変動および純度の変動を緩和します。
  • 合成ゼオライト
    合成結晶アルミノシリケートの含水金属塩より出来ており、この金属塩がもつ結晶水を加熱脱離除去すると、結晶水の取り除かれた跡に空洞が残り、この空洞の内壁に被吸着分子を吸着することができます。この特性を活かしクリーン・ドライエア発生装置の吸着剤として使用しています。
  • 水分圧
    空気中に含まれる水分単独での圧力のことです。大気圧中の水分圧は、大気圧(Pa)×水濃度(%)になります。